2021.10.08 栄養
パーソナルトレーニングジムRENです。
昨今、健康ブームによって、テレビや雑誌などで身体に良い油・悪い油があると認知されてきています。
そこで今回は、油の選び方についてお伝えします。
≪油の種類について≫
油にはいくつか種類があります。
●常温で個体の油(飽和脂肪酸)
…多く含まれるもの:牛脂やラードなど動物由来の油脂、マーガリン、バター、パーム油、ココナッツオイルなど
●常温で液体の油(脂肪酸の割合によって主に3種類に分けられます。)
①オメガ3系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸) ◆過熱に弱く酸化しやすい
…多く含まれるもの:DHA、EPA(魚の油)、えごま油、亜麻仁油など
②オメガ6系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸) ◆比較的過熱に強い
…多く含まれるもの:大豆油、コーン油、綿実油、グレープシードオイル、ゴマ油など
③オメガ9系脂肪酸(一価不飽和脂肪酸) ◆比較的過熱に強い
…多く含まれるもの:オリーブオイル、米油、アボカドオイル、インカインチオイルなど
≪オメガ3とオメガ6の関係性≫
オメガ3系脂肪酸(以下、オメガ3)とオメガ6系脂肪酸(以下、オメガ6)は、正反対の役割を担っており、オメガ3は白血球の働きを抑制し、炎症を抑える働きをする一方で、オメガ6は白血球を活性化し、病原菌などと戦う働きをします。その為、オメガ3とオメガ6が良いバランスでないと健康を保てません。
例えば、オメガ6の摂取が急激に増え、オメガ3の摂取が少ない場合、オメガ6の摂取量がたくさん増えたことで白血球数が激増し、本来は身体を守る為に病原菌などの外敵のみ攻撃するところを、血管など身体の細胞までも攻撃してしまい、この状態が長く続くことで血管壁を傷つけコレステロールなどが溜まり、動脈硬化を引き起こす要因となります。
つまり、オメガ3とオメガ6のバランスが崩れることは炎症の原因を作ってしまうということです。理想的なオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸の摂取比率(バランス)は、1:2と言われています。
また、オメガ3とオメガ6は、細胞膜の材料になるなど大切な役割も担っていますが、体内で作り出すことができない脂肪酸(必須脂肪酸)なので、必ず食事から摂ってくださいね。
≪油と炎症について≫
体内の細胞は、油(脂質)を吸収して身体に様々な影響を与えます。
吸収をする際に“椅子取りゲーム”のように細胞が油(脂質)を取り合います。
この時、体内は一番摂取の多い脂肪酸の影響を受けることになります。
●オメガ3系脂肪酸
・・・中性脂肪やLDLコレステロールの低下などに効果があり、細胞の炎症を改善、予防に繋がる。加熱や酸化に弱い為、加熱調理に不向き。
●オメガ6系脂肪酸
・・・適量を守れば動脈硬化などの予防が期待できるが、市販の食品や外食などに多く使われており、一般的には不足よりも取り過ぎる傾向にある。過剰に取り過ぎると、細胞が傷つき炎症を引き起こす可能性があるため、気を付ける。
●オメガ9系脂肪酸
・・・抗酸化作用が高く、適量を摂取すればLDLコレステロールを低下などに効果がある。炎症にはあまり関与しない。
≪炎症について≫
体内では、免疫力を強める為に絶えず炎症と修復を繰り返し均衡を保っていますが、炎症の修復が間に合わない状態が慢性化すると、
・免疫力の低下
・血管の柔軟性低下
・動脈硬化
・心筋梗塞
・脳梗塞
・認知症
・アレルギー
・肥満 など身体に様々な影響を与える可能性があります。
≪摂りたい油脂・そうでない油脂≫
◎オメガ3系脂肪酸(積極的に摂取して欲しい)
⇒DHA、EPA(青魚に多い)、えごま油、亜麻仁油など
△オメガ6系脂肪酸(なるべく控えて欲しい)
⇒大豆油、コーン油、綿実油、グレープシードオイル、ゴマ油など
※揚げ物をする際の油、スーパーのお惣菜、コンビニ弁当、お惣菜パン、スナック菓子などに多く含まれている為、現代人は取り過ぎの傾向にあります。
〇オメガ9系脂肪酸(過熱用に普段使いにオススメ)
⇒オリーブオイルなど
〇飽和脂肪酸
⇒バター、ラードなど常温で固形の油脂
✖トランス脂肪酸
⇒マーガリン、ショートニング、コーヒーミルクなど
“トランス脂肪酸”とは、マーガリンなどの人工的に作られた固形の油脂であり、液体の食用油脂に、水素添加し高温処理を行う際に精製されます。
物にもよりますが、一般的には、レトルト食品、インスタント食品、洋菓子、市販の揚げ物、フライドポテトなどにも多く含まれているので気を付けましょう。
また、原材料表示に、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、植物油脂 などと記載されているものは出来る限り避けましょう。
トランス脂肪酸を取り過ぎると、心臓病、ガン、高血圧、糖尿病、肥満、認知症、うつ病などの疾患に罹るリスクが上がるといわれています。アメリカでは食品添加としての使用を禁止され、他の諸外国では規制や表示の義務が進む一方、日本では対策が遅れているのが現状です。
≪今後の油の取り方≫
・魚を意識して取る。(刺身や青魚がおすすめ)
・サラダには、ドレッシングとしてえごま油や亜麻仁油を使用する。
・トランス脂肪酸が含まれる可能性が高い、市販の揚げ物やドーナツ、フライドポテトなどを食べる機会を控える。
・買う前や食べる前に自身で原材料表示を確認する。
もしも油で迷ったら、油の中では、比較的酸化しにくく加熱にも強い万能な「オリーブオイル」を選ぶといいかもしれませんね。
また、油脂は1gあたり9㎉あるので、良い油でも取り過ぎるとカロリーオーバーに繋がるので、気をつけてくださいね。
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